バウヒニアの花言葉 | ナノ


「おっ、いいじゃん、行く行くー。」

ひょっこり。
またも現れた友人その2は誘われてもいないのに乗り気のようだ。
図々しくも私のカバンの上に置かれた彼のぺったんこなそれにはスマホと携帯ゲーム機とサイフ以外何も入っていない。

「おー、香いいとこに来たネ。あのクレープ屋さんいつ行っても行列できてるけど今日はいつもよりマシだと思うんだヨー。」
「平日だし台風前だもんな。」
「そうそう、だから狙い目かと思っテ。」

私の返事を待たず2人の友人の年相応なまぶしい会話は盛り上がっていく。

「いや、今さっき寄り道せず帰れって言われたばっかじゃん!」
「んもぅ、なまえは真面目だネー!でもだからこそたまには息抜きも必要ヨ!」
「そうそう、抜く時は抜かなきゃみたいな。」

たまらずツッこむもこの有様。
湾ちゃんはともかく香くん、あなたはいつも抜いてる気がしますけどね!
というのはグッと飲み込んで。

「だいたいお前次期生徒会役員なんだから一般生徒の日常風景を理解しとく必要あるだろ!的な。」
「いや、だからといって台風で学校早く終わって遊びに行く必要はないよね!」
「今はそう思っててもきっと必要になる時が来るヨ、何事も経験だヨ。」
「そうそう、一般生徒に寄り添う方針の次期生徒会的な。」
「うんうん、そういう生徒会になら私達の学園を喜んで任せたくなるネ。」
「だよな。ってワケで…」
「「次期欧亜学園高等学校生徒会書記みょうじなまえ、ご英断を!」」
「っ……分かったよ、クレープ屋さんだけだからね!」

2人の有無を言わせない方針のグッドなコンビプレーに、私は思わず了承してしまった。
さすが幼馴染み…息があいすぎて怖い。

なんだかこの二人にはいつもうまく乗せられてるような気がする。





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