バウヒニアの花言葉 | ナノ


前を歩く本田部長とアルくんは一丁前に円周率の話なんかしている。
全く話についていけないんだけどそんな話して面白いのかな…?
古代エジプトだとかバビロニアだとか私なんかが分かるわけのない円周率の歴史なんかを語り始める2人はさすが学年主席といったところだ。


訳のわからない話を聞きながら欠伸をしていると隣から私をじーっと見つめる視線。
気になって視線を合わすと全力で逸らされた。

「な、なにかな香くん…!」

気になって声を掛ければ「何でもないし」の一言。
ほんとに何でもないのかな?
顔に何かついてるんじゃない?
不安になって顔をペタペタ触ってみるけど何も手応えはない。

「お前こそ何やってんの。」
「いや、香くんが見つめてくるから何かついてるのかと思って。」
「そんなんじゃねーし。」

じゃあ何だったのと尋ねれば彼はうっすら頬を紅潮させ深呼吸。
そして覚悟を決めたようにこう言った。

「なまえさ、その服似合ってんじゃん。なんつーか…いつもと雰囲気違うっていうか…その…」

マジ可愛い。

…ぼそっと呟かれたその一言で、一気に顔が火照ったのが分かった。
ちょっと耳朶を触ってみたらすごい熱い。
なんなんですかもう、普段絶対そんなこと言ってくれないくせに!

「あ…あう…えと…ありが、とう?」

ああ、もう何故だか疑問型。
そりゃそんなこと言われたら混乱しちゃうよ。
頭の上でピヨちゃんがくるくる回ってる。
恥ずかしくて照れくさくて、でも嬉しくて楽しくてやっぱり嬉し恥ずかしい。
あなたへの想いもくるくる回ってる。
まあるい心がドキドキして、ワクワクして、あったかい。
やっぱり私、彼が好きなんだなぁ。

「でさ…気が早いけどさ、これ終わったらふたりでどっか行こ?」

貴方がそう言ってくれるなら、一生懸命服選んで良かったよ。

「…うん…楽しみにしてる!」

ほら、今年の3月14日はやっぱりワクワクドキドキの予感です。


Ee.3.14の予感-fin



■番外編は糖度が高い。
まとまりなくてすみません、円周率の日でした。
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