ひゃくどまとめ 2014/02/19 02:10 |
失貌症?っていうんだっけ、顔がわからなくなっちゃうやつ。それのお兄さん、30代くらいだからおっさんかな、欲しい。会うたびに初めましてって言う人。名乗ればああごめんね、君だったか。って言う。 今相手をしているのが本当に名乗った通りの人かわからないまま相手をして、一定以上は入れ込まない。諦めちゃってる人。 古書店とか骨董屋とかそういう職だといい。司書でもいい。本や物は識別してくれるのに俺が誰だかも覚えてくれないんですねみたいなこと言われて困ったようにごめんねえって言うような人。 覚えてないんじゃなくて覚えられないんだよ。君のことが嫌いなわけじゃないんだよ。ってさみしそうに笑う人がいい。さみしくて諦めちゃってる人まじかわいい。 失貌症で色んな親しい人が離れていって、一人になったころに年下の男に懐かれて、「俺のことは覚えてくれないのに」みたいなことを言われ続けてげきおこするのもかわいい。散々怒鳴り散らして震える声で「…もう二度と私に近づかないでくれ」って言えばいい。 以降同じ人物が名乗る名前を変えて毎日来たらかわいい。名前は記号に過ぎない。 ひゃくどがどんな奴かというと男の娘が店に二ヶ月通ってきたら君は男だろう?って言ってくるようなやつです。 「君は男だろう?」「…なんで」「経血の匂いがしない。年齢的に閉経してるとも思えない。それに制汗剤は男性用だ。どう考えても女ではない。」「最低だな」「口に出すか出さないかの違いだ。男に言ったのだから支障はない。」 でも失貌症だから顔の美醜はわからないのさ…彼の褒め言葉はいい匂いだ、とか魅力的な声だ、とか美しい仕草だ、とかそういうもの。 人の美しさもわからないくせに古美術品の価値はわかっちゃうし人の顔は覚えないくせに右手の小指の付け根に黒子があるみたいな妙なところ覚えてるからすごく変態くさい。 ひゃくどが昔好きだった女の子の顔も一人前に育ててくれた親の顔も可愛がってくれたおばあちゃんの顔も思い出せなくて、楽しくて幸せで帰る場所のような思い出にいつも靄がかかってると思うとちょっと面白い |