はーっ。
吐く息は白く漂いながら、消えた。
降ってきたと思ったのも束の間で、あっという間にいつも歩いてたコンクリートを隠していく。
辺り一面はまさに、銀世界。


窓際の後ろから二番目。授業もそこそこに聞きながら、ふと外を見ると見慣れた三人の姿が目に入る。
こんな寒いのによく外で遊ぶ気になるなぁ。それより君たち授業はどうしたの。そんなことを思いながらも見ていたら千鶴と目が合った。
じーっと見て私だと気付くと、大きく手を振る。そんなことして先生にでも気付かれたらどうするんだろう。
あ、当たった。祐希の雪玉がクリーンヒット。余所見してるから。


「○○さん、次のページ読んでくれる」

「はい」


席に着いた頃にはもう三人の姿はなくて、また雪が降っていた。


「さっき祐希たちが箸借りにきてさ」

「その前は雪合戦してたけどね」

「下から千鶴くんたちが手振ってたからビックリしちゃいました」

「というか、棗はお弁当だからお箸持ってたね」


まあ、持ってるけどね。廊下側の悠太にお箸を届けるのは、ちょっと大変。
そのうち制服に着替えた三人が戻ってきて、要がお湯を入れすぎたからとか、祐希が捨てたからとか騒ぎ出したから、なんだかもう春と苦笑い。さっきまで雪で遊んでたくせに元気だなぁって。


「やっぱ冬はみかんだよなー」


そう言う千鶴の吐く息も白くなって空に消えた。




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