謹賀新年。
ただ今神社にて今年初のバイト中。人の流れは途切れることなく、なかなか忙しい。さっき連絡があったからもうすぐ幼馴染みたちが来るはず。
「なっちゃんー!」
新年早々、元気というか騒がしいというか。バタバタとこっちに駆けてくる千鶴は今年も通常運転。
明けましておめでとうございます、と相手が幼馴染みでも丁寧にお辞儀をする。もう何年も前に教わったことだ。
「あ、おめでとう…、じゃなくて!」
「…じゃなくて、何ですか」
「なっちゃんお願い!賽銭箱開けて!」
は?一体何を言い出すかと思えば。こんなに忙しくて参拝客も多く訪れてきているのに、賽銭箱なんて開けれるわけない。
無理、一言そう言ったらだよねー、とがっくり肩を落とす千鶴。だいたいなんでそんなこと、と思ったら春が今までの経緯を説明してくれる。
「……で、100円と間違えたと」
「…はい」
「バカだね、千鶴は」
「うわーん!なっちゃんまでー!」
「だからお前といると大吉が逃げるんだよ!」
まだ新年始まって数時間しか経ってないのに。ある意味問題を呼ぶ才能が…まぁ、いらないけど。
「残念ですけど、賽銭箱は開けることは出来ないので」
「あーいい。別にアンタのせいじゃないから。」
「でも自転車の鍵ですよね」
「それは、コイツらに運んでもらうから」
「ええ"」
ほんと災難続き。それはどっちかとは言えないけど。元はと言えば千鶴が撒いた種で、私は連れてかれるみんなに軽く手を振り見送る。しかし、みんな結局お参りもしないで何しに来たのだろう。と思ったことは言わないでおこう。
さてと、みんなが事を終えるまでどのくらいかかるかな。それまで私も出来る仕事を終えているようにしなければ、そう一人で意気込む。
今年も色々なことがあると思うけど、みんなと過ごす、楽しい一年でありますように。
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