この時期になるとさすがに勉強する姿の生徒が目立つ。図書室に訪れてくる人も多く、友達に教えてもらったりノートをコピーしたり。あの千鶴でさえ少しは勉強するくらいなんだから、やっぱり学生にとってのテストはそれだけ大事ってことなんだろう。
「問13は何にしました?」
「A」
「オレもA」
「わーボクBにしちゃいました…」
テスト後のよく見る光景。今回も英語ダメかもしれないです、と頭抱える春をなだめる悠太。千鶴よりは大丈夫だよ、ってそれはそれでどうなんだ。
テストは嫌いじゃない。いや、テスト自体はもちろん好きではないけれど、テスト期間中は午前とかで終わることが多い。早く帰れるし、その分バイトも多く出来る。と言ってもテスト期間はなかなか増やしてくれないんだけど。
「悠太ー帰ろー」
「あ、祐希くん」
「千鶴、顔死んでる」
「へーんだ、英語なんていらないもんねっ」
「だから千鶴ハーフじゃん」
精神的にくるんだろうな、テスト期間は。要だけは、余裕だって鼻で笑ってた。なんだかんだで家でも学校でも勉強してるわけだし、要はすごいと思う。本人には絶対言ってあげないけど。
「よーし、これからまた要っちのうちで勉強だー」
「却下。お前ら勉強しねーから」
「するする!ほら、みんな行くよ!」
「あ、おまっ、」
期末テスト終わりまであと一日。
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