秋晴れの上天気に恵まれた今日は、職場体験の日。
私たちが通い慣れた幼稚園からは今も子ども達の笑い声が響き渡る。昔と変わってないな、と思いつつ中に入るといきなりの男の子の奇襲。元気でよろしい。


「みんなよく来てくれたわねえ」


呼ばれた声に振り向くと、かおり先生。あの頃より髪も短くて、大人っぽくなった気がする。悠太たちが簡単な挨拶を交わす姿を見ながらそんなことを思う。


「棗ちゃんも綺麗になったわね」

「いえ、」


ふふ、と笑うかおり先生の笑顔は変わらない。私たちが担当するちゅーりっぷ組は先生の担当してるクラスらしい。みんな元気が良すぎてねえ、という言葉の意味もクラスに入ってすぐに理解する。


「お姉ちゃんこっちー!」

「ちがーう!お姉ちゃんはこっちー!」


思わず溜め息をつきたくなるようなこの状況。さらに遠くからも呼ばれる声が聞こえて、ああもう、どうすればいいの、と思いながらふと目に入ったのは、隅で人形と遊んでる一人の女の子。気になって声をかける。


「こんにちは」

「…」

「一緒に遊ぼうか」

「…いい」

「ほら、」

「あー!お姉ちゃんいたーこっちで絵かくのー!」

「え、ちょ、」


走ってきた何人かの女の子たちに引っ張られ、かこー!とクレヨンと紙を持たされる。最近の子は結構積極的だな。とりあえず一緒に絵を描き始めることにしたけれど、その間もずっと一人で遊んでたあの子のことが気がかりだった。





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