つ、疲れる…。
千鶴も言ってた通り、トーナメントって鬼だ。


「次決勝でしょ、がんばってね」

「うん。……祐希の方の決勝はいいの?」

「いや、いくらなんでも弟よりクラスの応援するよ」


体育館の半面では男子のバレーボールの決勝が始まろうとしている。祐希がいるからかギャラリーも多い。それでも私たちのクラスとの試合の時は兄弟対決ということもあって、それはもう後輩から同い年まで凄い女の子の数でさすがだと思った。祐希がこっちに気付いてひらひらと手を振っていて、とりあえず振り返す。試合の笛が鳴る少し前。


始まってしまうと8分一本勝負なんてあっという間で、気付いたら優勝してしまった。私はと言えばゴール下にただ立っていて、落ちたボールを拾って、打てそうだったらゴールするだけの役目。あまり貢献したとは言えない。


「○○さん!やった、優勝だよ!」

「うん。………つかれた」

「ね、結局全部試合しちゃったもんね」

「でも○○さん、バスケ上手だね!」


勝てたのはバスケ部の子のお陰。ある程度のゴール下シュートのポイントを教えてくれたからなんとかなったことくらい。それでも差し出された手に合わせたハイタッチと、みんなの笑った顔が少しだけくすぐったかった。





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