新しい年に、新しいクラス。その中で一番最初に行われるクラス行事がおそらくこの球技大会だろう。テニス、卓球、バレーボールにバスケットボール…なにがいいかなぁ。
最初は知らない子もいてよそよそしかった教室もにぎやかで何に出ようかなど決め合っている。高校生の適応力って凄いと感じて気付く、私も同い年だった。


「なに、お前まだ決めてないの」

「うーん、…余ったのでいいかなって」


あっそ、と大して興味がなさそうに頬杖をつく要をちらっとみて、また視線を黒板に移す。教卓の前ではまだ人が多くて余りすら決まるのにも時間がかかりそうだ。よく見ると男子バレーボールの所に要と悠太の名前がある。


「要、バレーにしたんだ」

「ああ、なんか悠太が中がいいとかなんとか」


確かに外よりは体育館の競技がいいかな。日焼けもしないし。となると、バレー、バスケ、卓球………


「○○さーん!」


呼ばれた名前に顔を上げると教卓の人だかりから手招きしてるのが見えてとりあえず傍に行く。決まってないのはほとんど団体競技なんだな、ということをここに来て初めて知った。


「ね、○○さん、一緒にバスケやろうよ!バスケ部いれてもあと二人足らないの、お願い!」

「いいよ」

「ほんと!ありがとう!」


ちょうど新しくなったクラスには女子バスケ部の子が三人いる。かといって優勝狙おうね、というような感じではなく、いい所までいけらたいいねーという雰囲気で良かった。私はあまりクラスで盛り上がる行事は苦手だ。それでもなんとかクラスの雰囲気を壊さないように、目立たず適度に貢献するような、周りの顔を窺いながら参加してきたけど、二年経ってようやくそんな難しいことを考えなくてもいいくらい楽しもうと思えるようになったのは、やっと少し大人になったからだろうか。





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