高校生活、最後の身体測定。さて、この一年でどこまで成長したやら。
「なっちゃん!ヘアゴム貸して!」
「え、………はい」
なにをするのかと思えば、ポニーテールで身長伸ばす作戦は実施されるまでもなく失敗へと終わる。まあ、それはそうだ。というか、女子ならとにかく千鶴がそんな髪型になったところで不自然極まりない。…今でもたいして変わらないか。
「棗、伸びてた?」
「うん、160越えた」
「え!うそ!なっちゃんそんなあったっけ!?」
「まあ、普段オレらと一緒だからな」
「女の子では背高いですもんね!」
私的にはそろそろ止まってもいいかなぁ、なんて思っているけど今その言葉を千鶴の前では言えない。
私にも負けてたら…とか千鶴は言ってるけどさすがに私よりは高いと思うんだけど。………うん、多分。
「私には勝てるよ、身長では。身長だけでは」
「なんで二回も!?」
だってそれ以外では負けないし。それでもまだ測る気がない千鶴を先頭に向かうはコンピューター室。
……いまから身長を伸ばそうという考えには無理があると思う。という言葉も飲み込み、とりあえず着いていくことにした。
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