長いようで短かった春休みも終わり、この春、無事に穂稀高校の三年生になった。

通学路の桜も少しだけ早い満開を迎えて、吸い込む空気も若干の暖かさを感じる。真新しい制服に身を包んだ新一年生や慣れてきたように、それでも新しい年に心を弾ませる私たち。三年生になったからといってあまり変わらない。私は例のごとくバイトばかりしていたし、たまに誘われては出掛けたり。今日が始業式だからといって、幼馴染みたちと歩く朝もいつもと変わらない。
校門をくぐると幾分とにぎやかになり、久々の学校にもほんの少し懐かしさを感じる。その中でもみんな一つの紙を見ながら一際にぎやか。今日は、クラス替えの発表でもある。


「棗何組?」

「え、…と、」

「4組、オレと一緒。あと悠太も」

「あ、ほんとだ」

「オレとゆっきーと、春ちゃんは3組!」

「きれいに分かれましたね!」

「えーまた千鶴と同じかー」


要と悠太の名前があるところに自分の名前を見つけ、ちょっとほっとする。やっぱり知ってる人と一緒なのは、心強い。ちょうど三人ずつ分かれたのも、この分かれ方もなかなか面白くて。


「じゃあ、またあとでねー!」


千鶴たちとも別れて、といっても隣のクラスなんだけど。自分のクラスへ入る。何人か既に席に着いていて、要の生徒会と一緒の子だったり、悠太と一緒でこっそり喜んでいる女の子がいたり。知ってる子も知らない子もいるこのクラス。
新入生のようなドキドキ感を胸に、ここで、最後の一年が始まる。





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