ミックスジュースなんて冷蔵庫にパックで入ってるのを入れるだけなのに。と思いながらも、ドリンクバーで試行錯誤するみんなが面白そうだから放っておく。水をくれた元同僚の子とたわいもない話をしながらも、なんだかんだでここのバイトも楽しかったなー、なんて。人も良かったし。
「あ!やっぱり○○ちゃん来てたんだ」
「お久しぶりです」
「浅羽くん、友達なんだって?」
「はい、幼馴染みで」
「そうなんだ!○○ちゃんもまた入ってくれればいいのになー」
「それ、店長にも言われました」
「はははっ!そうだろうね!………あ、そうだこれ良かったら食べていいよ」
人も良かったし。
同じキッチンだった先輩が持っていたドリアをテーブルに置いてくれた。いい匂い、私が一番好きなメニューだ。
サービス、店長には内緒ね、とキッチンに戻っていく姿に感謝しつつ有り難く頂きます。美味しい。
「あー!なっちゃんおいしそうなの食べてるー!」
「………なに持ってるの?」
「やばい!早くミックスジュースを!」
その桃の缶詰めとかどこから持ってきたの。しかもそれ、パフェで使う材料だよ。あ、パフェも食べたいなぁ。
「ーーーーいきます…」
あーあ…。
とし言いようがない、まさに、惨劇。
「…お前、今度は使えるヤツ紹介しろよ」
「そうですね」
「はーああっと、なんか楽しそうでいいな、お前ら」
いつも楽しい幼馴染みとは言え、バイトを甘くみてもらっても困る。それなりにお金稼ぐって大変だけど、人の優しさにも気付けるし社会の厳しさ、なんかも分かるし。ただ今回高くついたのは、限りなく店長の方だ。やっぱり働くって、大変。
なんてことは感じてないだろうけど、女の子からされたのも、いい思い出だね、祐希。
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