「バイトするの?祐希が?」
「新しいゲーム、買えないんだって」
「バイトといえばなっちゃん!なっちゃんといえばバイト!」
「つーわけで、何か紹介してやれよ」
んー?祐希が出来る……、やれそうな…?やりたそうなバイト?紹介してあげれそうな…
「…ないかな」
「棗冷たい、」
と言われても。私が今やってるバイトは募集かけてないし、すぐ働けて来週ゲーム買えるくらいの稼ぎが出来て。バイトとなるとつい色々考えちゃう。自分で働く分ならまだしも、他人に勧める、しかもよりによって祐希に。そうだなぁ、と考える頭の中にふと浮かんだ1つのバイト先。
あの人なら、祐希にぴったりなんじゃないかな。という謎の確信。
「じゃあ、ここ、前短期で働いてたとこだけど」
「ファミレス?…接客はやなんだけど」
「別にホールだけじゃないから。とりあえずかけてみたら?」
半ば渋々受け取った番号を書いた紙も、なんだかんだ電話はしてくれたようで。後日面接を行った浅羽祐希はあっさり採用された。幼馴染み、17歳にして初アルバイトです。
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