シーソーゲーム

 


(『俺のだと』
 強い言葉が勝つのか。)

(勝ち気な炎が勝つのか。)




(鍵は紅猫の内にー…)






シーソーゲーム








「だーかーらー!赤司は俺のだ!!」

「いいや違うね!赤司は
誰のモノでもねぇ!」




いつもの如くストバスの公園にて
繰り返される喧嘩をしているのは、
元黒子の光の青峰大輝と
現黒子の光の火神大我だ。


キセキと火神でストバスを
するようになってから
いつの間にか
この喧嘩は始まった。
最初の内は煩いので
それこそキセキ全員で止めに
入っていたが、
最近ではそれすらも
面倒になってしまった僕達は、
ただただ傍観に徹していた。
まぁ毎回後ろで人の名前を連呼
されるのには困ってるけど。




時刻は午後6時。

夕闇が迫って来る時間帯。
今日のストバスも
結局大輝と火神抜きで
終えようとしようと、
テツヤと涼太、敦と真太郎と
分かれて2onで対決していた
試合を終了させようと笛を吹く。

今日もその笛の音で
試合も喧嘩も終了し
長い一日が終わるのだと
思っていたのに。




「赤司!赤司は俺のだよなぁあ??!!」


馬鹿な元黒子の光によって
火の粉がかけられた。



(嗚呼、眩暈がする。)




「大輝…。僕は誰の物でもない。
僕は僕のものだ。」

「いいや俺のもんだね。
俺はずっと長い間見てきたんだ、
お前を」



強く甘く囁かれた言葉。
真剣な思いを含んでいるのは
明白で。

今日で決着をつける気なのだと
云うことが伺えた。


一方の火神は、何か言いたげだが
時間の差は埋められないと
分かっているのか
口を挟んで来ないでいるが
勝ち気な強い焔を燈した瞳を揺らし、
僕を見ている。



覚悟を決め、
長い溜息を吐いてから二人を
見据えた。




瞬間。



「赤ちんは、皆のだよー。」




と、間延びした声がした途端
敦に抱き締められた。
(というか抱えられた。)

大輝と火神は驚いたように
目を見張る。



「後片付けは頼んだのだよ」



そう真太郎が言った瞬間、
涼太、テツヤ、敦、真太郎は
同時に走り出した。
(勿論敦は僕を担いだままだ)



「おい!お前達!」



制止の声は虚しく響くだけで。
頭を抱えた僕に皆が
近寄ってくる。



「二人共好きなんスよね?」

「知ってますよ。
…当人達以外は。」

「決まるまで悩めばいーよ」

「馬鹿達には良い薬だろう」



僕は彼等を見誤っていたのか。
見破られない自信があった。
悟らせない自信もあった。
なのにー…



「僕等はキセキの世代ですからね」



茶目っ気たっぷりに
テツヤに言われてしまえば
これは納得するしかないだろう。



「幸せは自分で掴む。
見極める為に、力を貸して
くれるかい?」



「勿論(です)(なのだよ)
(ッス)(だよ〜)」



皆の返答を受け、振り返り
慌ててこちらを追い掛けてくる
二人を微笑ましく見つめた。






強い甘い囁きや
勝ち気な瞳も良いけれど。


どちらが


僕を 捉えて

はなさないで、いてくれる?






(君達は無意味な
戦いとか言うけれど、)
(強い言葉と勝ち気な炎の二つ)
(まだ選べないから
この甘い波に
揺れていたいシーソーゲーム。)


(つまり勝者は僕ってこと。)







________
莉音様。リクエスト頂き
誠にありがとうございます!
一番乗りでした。

赤司が火神と青峰のコンビに迫られてる→どっちも好きで困ってる赤司→火赤or青赤or青火赤
との事でしたが、
上手く表現出来なかったように
思います;;
いや、本当すいませんorz
なんかキセキ赤っぽいですよね。
ってかキセキ赤ですよね←

赤司がどっちを選ぶか
私にも決められませんでした…m(__)m


返品、書き直し、転載は
リクエストして下さった方のみ
有効です。

いつでもお待ちしております。



では、本当にありがとうございました!



 








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