初恋初心者。

 

巡回が終わり、
夕闇が迫る校舎に漸く戻った。
帝光中学は部活動が
一番遅くなった部活に巡回をさせる。
変わった風習がある。


誰も存在しない学校は
とても心地が良くて、
僕としては珍しく上機嫌で
残っている書類を
整理してしまう為するために
自室化している部室へ向かう、
その廊下で。



「……おや、どうしたんだい?
テツヤ。下校時刻は過ぎたよ?」



学校一の存在感のない人間と
称される黒子テツヤと遭遇した。



「赤司君を待ってたんですよ。
一緒に帰りませんか?」



…訂正。遭遇ではなく
待ち伏せらしい。
にこり、と人の良さそうな
笑みを浮かべてはいるが
有無を言わせぬというオーラを
纏っている。
そもそもいつの間にか
握られた手を振りほどく?気になれない自分は相当末期だと思う。





嗚呼、今日も書類は溜まる一方!
(責任もって手伝ってよ)(赤司君の為なら。)






 








第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -