ヨモツヘグリ。

 

イザナギは、
イザナミを愛していたから
黄泉の國まで連れ戻しに行ったのに。



「なんでヨモツヘグリを食べて
死人と化したイザナミを
愛せなかったんですかね?」



イザナギは、
好機心に負けて
イザナミの言い付けを守らなかった。
(否、守れなかった。)
イザナミは見ないでと言ったのに…。



「神ですら好奇心に勝てないんだ。
人は所詮、愛なんて
持ち合わせていないんだろうね。」



好機心という欲望に負けたのだから。

愛とはなんて、薄っぺらいのだろう。



ポツリ、と何とは無しに呟いた疑問に、
アシンメトリーの瞳が
綺麗に輝く彼が応えてくれたことに
驚きながら、彼の方へ視線を向ける。



「赤司君らしいですね。」



僕が笑うと君も微笑う。
だから僕らの間にも、
愛なんて存在しやしないんだ。








 








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