マクロス長編 | ナノ


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もう!!
アルトなんて知らないんだから!!


イライラしながら携帯を取り出すと、アドレス帳からランカを呼びだす。
―…留守電…。
もう!知らない!!






私が向かった先は、フォルモ。
ゼントラーディーのショッピングモールだ。





「(…いた!!)クラン―!!」


名前を呼び手を振りながらエスカレーターから飛び下りれば、ぽふっとキャッチしてくれるゼントラサイズのクラン。


「ナマエじゃないか…!どうしたんだ??」

「クーラーンー…うぅー…」

「な、なんだ?どうした??」




そっと私を抱きかかえ、顔の前まで両手で持ち上げてくれたクラン。



「クラン、聞いてよ…アルトがね…」

「あいつか…。じゃあちょっと、場所を変えよう。ネネ、ララミア、悪いな。」

「いえ、お姉さま!いってらっしゃいませ!」
「構いません、ナマエさんとゆっくりお過ごしになって下さい。」

「ごめんね、二人とも…また今度、何かお礼するからね!」


「「いってきます」」







「で…どうしたんだ?」

「…うん…」

フォルモを歩きながら、会話する私たち。
私はといえば、クランの肩車…ならぬ肩に座らせてもらっている。


「…はぁっ…ナマエ、言わなきゃ分からないだろ?」

「ん…と…アルトが…シェリルと、ロッカーに入ってて…。」

「ナマエ…今すぐ別れるんだ。」

「…え…?」

「早いほうが傷も浅いぞ。」

「…ちょっと、クラン…お、落ちる!!私落ちる!!!」




いきなり早足になったクランに振り落とされそうになる。
すまない、といってまた肩に戻してくれたクラン。

こんな私に、みんな…優しい…。




なんて考えていたら、ふと、クランの足が止まる。






「何をしてる貴様!」

「クラン…大尉…」

「邪魔しないで!今良いフレーズが浮かんできたの!!」

「…!!!!」


ちらりと見れば、何か必死に書きとめてるシェリルと…そのそばにはアルト。
バッ!!っとクランの首に抱きつく。

…が、時既に遅し…。




「って、ナマエ?!」

「…ふんっ。私はいまクランとデート中なの!アルトにはシェリルがいるでしょ?」

「はぁ…お前たちは…いい加減に…」


むにっ!っとつかまれ、アルトの隣に下ろされそうになる。



「いーやーだー!クランー!いやぁー!!」

「子供じゃないんだから…ほれ。」

「きゃぁっ!!」
「うぉっ!!」



私がクランから離れないと分かると、アルトに向かって優しく放り投げられる。
アルトは反応が遅れ、私と一緒に地面とご対面。




「痛ったぁ…」
「ナマエ…大丈夫か…?」

「…っ、ごめ…!!」


アルトを押しつぶすように重なっていて、焦ってすぐに起き上がる。
とたん、グラリと視界が揺れる。



「…っ」

「あ、おい!!」

「ごめ、ふらついただけ、もう大丈夫。」


アルトの身体に、手を押し当て身体を離す。
ふわりと優しい暖かさに包まれる。
―アルトだ…。


「俺こそ、ごめん。ナマエに勘違いさせる原因を作っちまって…」

「…(思い出した)」

「…(はっ!)」




「おい、二人とも…あいつって変なやつだな。」





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