マクロス長編 | ナノ


bookmark


「……なに…してるの…」




ロッカーから突如流れ出してきた、アルトとシェリル。


「ち、違うんだこれは!!これは、その!」

「そ、そうよナマエ!これは事故なの!」

「……違うって、何が?私まだ何も言ってないんだけど。」

「…っ…」

「私いくね、おじゃまみたいだから。」





くるりと踵を返す。
早くここからいなくなりたい。




「ちょ!待てよナマエ!!」




アルトに手首をつかまれる。




「やだ!触らないでっ…!!」





俺は…掴んだ手の力が抜けた。
振り返ったナマエの瞳に、うっすら涙が浮かんでたから。





「ナマエ…」





振り払われた俺の手は宙を切った。















少しだけ…。
屋上で肺に空気を入れる。



―すーっ…はぁー…。



アルトのロッカーから聞こえてきた、シェリルの…厭らしい声…。
私って、アルトの何なんだろうなぁ…。

汚い思考がぐるぐる回る。


…やめた。


早く皆のところにもどろ…。
あーあ…授業サボっちゃった…。








「おかえり、ナマエ。」

「遅かったですね、ナマエ先輩!」

「ただいまー!!さぼったった!!」

「ナマエちゃんは、ランカさんを探すの…手伝ってくれますか??」




ミシェルは、顔の横で手を掲げ呆れのポーズ。

ルカは…必死。あー…ナナセね…。

ナナセは、何としてでも!って感じか。



「あ、うん。ランカのお兄さんから連絡入ってて、見つけてくれって。だから探すの手伝うよ。」

「本当ですか?!ありがとうございます!一緒にランカさん見つけ出しましょうね!!」

「さすがです、ナマエせんぱぁい!」

「はぁ…」

「ミシェル、溜息つくと幸せ逃げるよ?」

「悪いけど俺パス!用事があるから…サボり姫でも使えばいいよ。」




そんなやり取りをしていたら、ルカが通話を始めた。

―…アルトの声がする。



「さっき、誰と居たんですか?」

『誰でもいいだろ?!』


ばっ!とルカの携帯を奪ったナマエ。


「…シェリルだよ、ルカ。」

「え?!ナマエ先輩??」

「…アルトの…アルトのバカ!!!」




―プチっ…




通話終了の一定音に焦りが募る…。



「やべぇ…」


俺の言葉を一切聞かずに切られた電話。
これは…本当にやばくなってしまった…。







「ちょ…どうしちゃったんですか?突然…らしくないです…」

「…ごめん、ルカとナナセ!私も用事思い出しちゃった、じゃ!!」






バッ!とカバンをつかみ取ると、笑顔で教室を飛び出してしまったナマエ。

じゃあ俺も―!と言い残し帰ってしまったミシェル。





「…ナマエちゃん…なんだかとても怖かったです…。」

「はい、本当にどうしちゃったんでしょう…?」

「ルカくんも、そう思うの?」

「…えぇ…。」

「ミシェルくんも行ってしまったし…こうなったら二人で必ずランカさんを見つけ出しましょう!!」

「…は、はいっ!!!」




prev|next

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -