2授業中。
―机の上で、バイブ作動してるアルトの携帯。
そっと手を伸ばし、その振るえを止める。
でも、先生の手は止めれない。
ごめんねアルト。
―バシン!
勢いよく振り下ろされる先生の教科書。
―フガッ
変な音が出るアルト。
「ぷっ…起きてアルト。」
「ナマエさん、笑ってないで早乙女さんを起こしてくださいね。」
「はぁーい…ねぇちょっと、アルトのせいでなんで私が怒られるの…?」
「…zzZ」
「ちょっと!」
―バシン!
勢いよく振り下ろされる私のチョップ。
―フガッ
変な音が出るアルト。
「…。○」
(駄目だこりゃ…あとでノート見せてあげよう。)
*
―バシン!
―バシン!
と、放たれる射的訓練。
オズマと監修する。
最初のうちは、やや中心寄りを射止めているのだが、
(あ、集中力切れた)
とたん、捉えたのは枠の淵。
「ヘタクソォ!」
オズマの蹴りが、勢いよくアルトのお尻に入る。
「んがぁっ!!」
「アルトって集中力、短いね…。」
「(がーんがーん…)」
*
「ナマエ!」
「お〜、ミシェルとルカ!どしたの?」
「どうですか、アルト先輩の様子は?」
「んー…詰めが甘い。」
「ほっほー。」
「筋はすっごく良いんだけど。あ、あと学校でもSMSでも叩かれてた。」
「…メモメモっと。」
「あ、ちょっとこれから一緒にどうだい?」
「…?」
ウィンと開かれる扉。
そこには、行き倒れのアルトが。
「アルトってば…更衣室で寝てる…」
「ほっほー」
灯るディスプレイには、ランカからのメールが読みかけで放置されている。
―ミスマクロスとおったの!
…あとで私もメール返さなくちゃ!
「先輩、いつの間にランカさんと?」
―化粧道具を持って歩いてきたボビーちゃん。
まさか…
「ランカちゃんのミスマクロスのほうは驚かないのか?」
テキパキと化粧を施すボビーちゃん。
「それは、 ナナセさんから聞いてます。あ!でも隊長には内緒ですね…。」
「ナマエちゃんみてぇ!!」
「…うぉ…」
「当たり前だろ、もしそんなことが…」
パチン!と灯る明かり。
「何が内緒だ…?」
「いえ!何でもありません!」
(オズマにはいえない。これは私でも無理だなぁ…二人ともこっち見るな!)
「で、どうだ新入りは。」
「はっ!見てのとおりです。」
「「・・・!?!?」」
「ボビーちゃんのおもちゃであります!」
「「「ナマエ…」」」
「………で、どう思うんだ?こいつの入隊に一番反対してたお前らから見てだ」
「私は反対してないですが、集中力に欠けはあるけど十分でしょう。」
「ああはいいましたけど、腕はありますからね。…このお姫様は」
「なら、そろそろやるか…実施は今度の日曜一二○○だ!」
「へぇっ!?その日はミスマクゥ」
もごもご。
咄嗟にルカの口を押さえるミシェルと私。
「「(ばか!)」」
「(んうっ)」
「伝統だかなんだか知らんが、あんな低俗なものが見たいのか?」
「いえ、ぜんっぜん!」
「もごぉっ」
「あんなものにほいほい出る娘たちの気が知れん…。」
「オズマには夢が無い…」
「まぁったくー…」
―あーぁ…近いうちに絶対これまた兄妹喧嘩するパターンだよ。
私はこっそりため息をついた。
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