マクロス長編 | ナノ


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「私はね、すっごく嫌な奴なんだ。

ランカの事、すごく好きなのに…。

なのに、

なのに、

記憶に蓋ができてて、羨ましいと思う私がいて…


こんなきもち、嫌なのに…

それ以上に、ひどくうらやましい。

私も、蓋をしたら…


楽になるのかな…

ねぇ、ミシェル…」



涙をいっぱいためて言うナマエ。



「ナマエはそれでいいの?」


優しい言葉をかければ、この場は納まるかもしれない。


「…」


「それで、気がすむの?」


だけど、それじゃなんの解決にもならない。
だから、心を鬼にする。

ナマエの心に刺さる言葉を、選びながら投げかける。



「…」

「済むなら、強制的に蓋をすればいい。今の医療技術ならできるだろうな」

「…」

「でも、なんでナマエはそれをしてないの?





 自分の意思で、記憶を、自分の中に思い出をとどめてるんだろ?」





ぽろぽろと涙がこぼれる。



「ほら、涙を拭いて?俺が泣かせたみたいだろ?」

「ミシェルが、泣かせたんだもん…」


ナマエはミシェルに勢いよく抱きついた。


「あっちゃー、ナマエ姫は強引だなぁ。そんなところもキュートだけどね☆」



そっと背中に手を回すと、きつくナマエの腕が回る。


「汚い気持ちは今ここで吐いて、また笑えばいい。」

「…うん…」

「ランカちゃんは、ナマエの事大好きだって言ってたぞ」

「…うん…










 私も、ランカのこと好き。次会った時に、黙ってた事謝る。」


「それがいい。だからほら、今はゆっくり…な?」

「…うん…ありがと…ミハエル…」

「それ反則…」







その場は、ミシェルに任せ私は宿舎へ向かった。
こんな顔じゃ、皆に会えないから。


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