1「おはようございます。」
「おじゃまいたします!」
早乙女邸におじゃますると、玄関にポツンとアルトが。
いつもの如く三つ指ついて。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。」
「あらー葎華、いらっしゃい。待ってたわ」
ふわりと笑う美与。
にへらっと緩い空気を出し、慌てて頭を下げるアルト。
「もういいわよアルトくん。お出迎えありがとう♪美与、身体は大丈夫??」
なでなでなで
アルトの頭をうりうりする母・葎華。
「えぇ、今日はとても調子が良いの。葎華の舞がみれるからかしら!」
「まぁ、嬉しいこと言ってくれるじゃない♪頑張って舞っちゃうんだから!」
「ふふふっ!稽古場に行きましょうか、生徒さん達もう待ってますよ」
とてとてとアルトが近づいてきて、着物の袖をクイッと引く。
「ねぇナマエ、今日はどうするの?」
「お稽古するつもりだったけど、アルトと一緒にいたい!」
「…っ///」
「…???」
「ナマエ、今日お稽古どうする?」
「お母さん、アルトと一緒に居てもいい…?」
「ふふ、いいわよ!アルトくん、ナマエをよろしくね☆」
「ナマエちゃん、いつみても可愛いわねぇ。」
「ありがと!アルトくんも素敵よ!ナマエなんてもうアルトくんの事ばっかよー」
「アルトもナマエちゃんの事ばっかりよー」
「「ふふふ///」」
「あ、アルト。離れを使いなさい」
「はい。ナマエ、行こう?」
「うん!」
渡り廊下を仲良く歩く。
二人、手をつないで。
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