マクロス長編 | ナノ


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夢を…見た…。




緑の生い茂る土地で。

キラキラと光る水面。


幸せそうな、両親。



そして…




土のにおい
風のにおい

大地の奏でる音楽


本物の重力が、優しく身体を包み込む





あぁ…

夢…これは夢…。





―イモ…ネ…ルーシェ
―…ナーミ…ア
―………アー…ォトミ…


途切れ途切れに聞こえる
優しい音楽。


あぁ…ここは…






「ん…っ…」

「…おはよう、気分はどうだい?」

「カナ…リアさん…。気分は…そんなに悪くない…です…。」

「…ったく、よく言うよ。あんたどれだけ寝てたと思ってるんだい?」

「えっと…2日…?」

「…残念だけど、今日で9日目だよ。」

「…まじすか…」





あれだけ背中に深い傷を負って。
あれだけ血を流してよく生きてたね。
偉いぞ。



そういって頭をぽんぽんとなでられる。








「私…生きてる…。」

「あぁ、生きてる。」

「…カナリアさん、私明日退院したい。」

「…駄目だろうね。」

「やだ。退院する。」

「だから「や!カナリアさんから言ってくれれば退院できるの私知ってます。」

「…ったく、頑固なんだから…。そのかわり、絶対安静だからね。」


「はいっ!」


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