マクロス長編 | ナノ


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「…っ…あぁ!!!」




そっと、バルキリーの手でナマエを包み込む。




「うおぉおおぉおぉぉぉおぉぉ!!!!」








―よし…ひとまずこれでランカは大丈夫…。

―後は…私…かぁ…。


―あぁ…ちょっとやばい…かも…








そんな中、追撃をよけ切れず、バルキリーの両腕が落ちる。





ふわりと宙を舞う身体。
デジャヴ?
違うよ、今日二回目なだけ…。





なんて考えていたら、急にものすごい力で吸い寄せられる。



―あぁ、ヤバイ…バジュラの開けた穴…。




このまま行けば…宇宙空間にすぐに投げ出されてしまう…。
あぁ…。

―でももう、エクスギアを操縦するだけの力は…



       残ってないや…。





ガキーン!!

同じく吸い寄せられる障害物に全身をぶたれると、ヘルメットが粉砕した。


でもなんでかな、痛みも感じない…。。




「おい!ナマエ!!なんでエクスギア使わないんだよ???!!!―ッッ」



宙を舞い、降り注いできた雫は…ナマエの…血…。



「おいお前!!絶対にそこから離れるなよ!!!」


「えっ…う、うん!!!」




そう。気がついた俺の身体は勝手に動いていた…。









コックピットの淵を勢いよく足で蹴り飛ばす。

宇宙空間に投げ出されたナマエにはもう、俺の声は届いていない。

俺の守りたかったものは、手を伸ばせば届きそうなのに。

俺は…俺はっ…!!!











「ナマエっ!!!」
「・・・」





包み込むように抱きかかえると、コックピットへ引き戻される。




「よし、戻るぞ!!つかまれよ!!」

「…っ!!」










何とか、天井部の自動修復に間に合いフロンティアへと滑り込む。





「おい!ナマエ!おいっ!!!!」









正面から迫るバジュラへの反応が遅れた。










俺には、瞳を強くつぶることしか出来なかった。









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