2――From:ナマエ
シェリル、今からホテルに迎えに行くね。
待ってて。
SMSとして向かいます。
…ほんと、警護の仕事扱いで良かったの…?
――From:シェリル
オーケー。
待ちきれないから早くして!!
そんなこといいのよ、ナマエが仕事頑張ってるの知ってるもの!
それに、休みすぎるとナマエ仕事失っちゃうし…なんてね!
はぁーやぁーくぅー!
鯛の形をした携帯がブブッと震えて送信完了の合図。
満足そうな笑みを浮かべるのは、シェリル・ノーム。
「シェリル、本当に警護つけなくて大丈夫?」
「あら、グレイス。ナマエの実力知ってるでしょう?」
「…それは十二分に分かっているわ。」
「今日は久しぶりの再会なの!…ね?二人っきりにさせてちょうだい」
語尾にハートをつけるように言えば、グレイスも渋々納得してくれた。
そのためのSMS名指し警護の仕事だったのね…。
半分呆れるけれど、残りの半分は喜びが勝っていた。
私も、ナマエに会いたかった。
母性…かしら。
シェリルを見ているのと、同じ感覚…。
ピンポーン。
「はい、こちらグレイス。あなたは?」
『あ、グレイスさん!御無沙汰してます。SMSより来ました、ナマエ・名字です』
「いらっしゃい、シェリルったら待ちくたびr「今行くわ!待ってて!」…だ…そうです…仕方ないわね…ナマエちゃん、よろしくね?」
『あ、はい!お任せください。では、行ってまいります。』
ウィーンという機械音とともに飛び出していたのはシェリル。
「んもう!どれだけ私を待たせれば気がすむのよっ!!」
「イタッ、ちょっとシェリル落ち着いて…」
「落ち着けるわけがないじゃない!」
サングラスを少しずらしながら仁王立ちするシェリルに、思わず苦笑が漏れた。
「でも、私もシェリルに会いたかったよ?」
「ほんと!?」
「本当に決まってるでしょ?さ、早く行こう!表に車待たせてあるから」
パチン!とウィンクをすれば、ポッとピンクに染まるシェリルの頬。
あぁ…何も変わってないんだなぁ。
カランカラン
扉をくぐればなる、鐘の音。
私のお勧めの和スイーツが食べれるカフェにシェリルを招待するのが今回の目的。
「いらっしゃいませ、御予約のSMS名字様ですね、お通しさせていただきます。こちらへ」
通されたのは、個室和室庭園付き。
艦長の計らいでSMSの名前も借りてしまった…。笑
いわゆる、VIPルームである。
おいしい和スイーツを食べながらいろいろ話した。
なんせ、船団が違うためやり取りは全部電波。
顔を映しやり取りはしても、やっぱりどこか機械質だった。
肉声は暖かいし、ちょっとした表情の変化もとらえることができる。
この日は、声がかれちゃうくらいまで二人っきりの時間を過ごした。
…もちろん、ライヴの事も新曲の事も…ね!
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