1「ナマエ、起きなさいっ!」
布団がもぞもぞと動く。
だが、動くだけで中の人間が起きる気配はない。
「ナマエっ?」
「おかぁさ…う…うるさ…うぅ」
「ふぅん、ウルサイ、ですって?」
バサァッ
布団の中からナマエが現れた!
「うぅ…さむい…さむいよ…」
「はいはーい、寝てるから寒いのよー!起きて!忘れたの?今日は早乙女先生のとこに行く日よ!!」
「…!!お母さん、おはよ!」
キラキラキラ
「あんたって子はほんとーにアルト君が大好きなのねぇ…」
「お母さん、きょうはお着物きてく!」
「そう言うと思って出してあるわよ☆」
「お母さん、だいすき!ちゅーっ!」
「お母さんからも、ちゅーっ!」
きょうは、さおとめさんのおたくにお母さんがにっぽんぶようのおけいこにいくひなの!
お母さんすごいひとなんだって。
もとおしえごさんがいってた!
おでしさんがたくさんいて、なんかよく分からないけどすごいんだって!
さおとめさんもすごいの!
おうちにたっくさんおでしさんが住んでて、でーっかいおやしきにすんでて!!
そして、アルトがいる!
アルトは私と同じ年の男の子なんだけど、すっごくかっこいいの!大人の人はみんな「きれい」とか「期待のおんながた」とかいってるんだけど、私はかっこいいって思う!アルト好き!
私のお母さんはにっぽんぶようで、さおとめさんはかぶき!
お父さんが「このフロンティアで、二人の名前を知らないひとは居ないんじゃないか?」って言ってた!
お母さんにお着物をきつけてもらって、お母さんもお着物をきて、お父さんがお仕事に行くのを見送って、いってきます!
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