1美与さんの病気の悪化は、私たち子供の目にも明らかだった。
床に伏すことが多くなってしまった美与さん。
そんな美与さんが、舞を見ると、笑ってくれた。
『ふふっ、ナマエちゃん…ますますお母さんに似てきたわね。じょうずよ』
「へへ//美与さんが、お母さんの舞を見ると元気になったってお母さんよく言ってたから、私、もっともっと頑張ってお稽古します。だから、美与さんは生きてください!」
『あらあら、それは頑張らなくっちゃね!』
「お母様、お身体は…って、ナマエ…」
「あ!アルト、一緒に舞おう?美与さんに、練習したあれ!見てもらおう?」
「…うん!」
美与さんは、とても優しい人だった。
なぜ美与さんなの?
神様は、意地悪だ。
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