マクロス長編 | ナノ


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何度も
何度も

海へと潜る


潜れば
潜れば

流れ出る涙が無かったことになる気がして。







「…っ…長居、しすぎちゃった…。」



少し、ヤケになりすぎた…。
震える身体を押さえて、砂浜へと戻る。

外気温は暖かいといっても、水温は冷たい。
こんなに長い時間潜っていれば、こうなることも分かってた。

でも、涙の跡はまったく無いはずだし、大丈夫。








水を吸った服は思ったよりも重たくて、
震える体は止まらなくて、





「おい!ナマエ!!!」

「…アル…ト…?」

「お前…こんな時間まで潜ってたのかよ?!」

「あー…んー」


「馬鹿か!!!」






ふわりと包まれる温もり。





「んぅ…」



タオルと、アルト…?




「なんでこんなになるまであがってこなかったんだ!!」

「…あがりたく、なかったから…」




ふいっと顔を背ける。




「ったく…どうしたんだよ…。今日のナマエなんかおかしいぞ」

「…」

「なんだよ」

「……なんでもない。」

「なんでもなくないだろ」

「でも」

「でも、なんだ」





じっとアルトの目を見つめる。


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