3『学者たちによれば、この宙域にやつらの巣のようなものがある可能性が高いそうだ。今回の任務はそいつを発見・調査し、可能なら持ち帰ることだ。手分けして捜索に当たる。早い者勝ちだ。しっかりやれ!』
『『『了解!』』』
「了解しました。」
ービビルスナイパーも後ろを信用できんアタッカーも使い物にならん。
オズマの言うとおりだ…。
…クランが接近戦中?!
「クラン!援護します!」
『俺たちも行くぜ!』
『あぁ!』
―だめだ…隙がない…。
どうすれば…。
考えているさなか、クランが被弾。
駄目だ、このままだとクランが…!
『私はクランの救護に向かいます!』
「俺がおとりになる!!聞いたぞ一発必中なんだろ?お前も、お前の姉ちゃんのジェシカも!!」
「クランか、あのオセッカイめ」
『素直になりなよミシェル。天邪鬼は取り返しつかないよ。見せ付けてやれ!スナイパーさん!』
「あぁ!まかせとけ!」
クランの機体に駆け寄り、支える。
『クラン、もう大丈夫だからね。』
「ナマエ…」
『ミハエル!撃て!!姉さんを超えろ!!』
―早くに両親をなくしたミシェルは、姉のジェシカに育てたれたんだ。
とても中の良い兄妹だった。
幼馴染なんだ、ミシェルとは。
ジェシカは優秀なスナイパーだった。
だがある作戦でフレンドリーファイア…味方を撃ってしまった。
自分の上官で、不倫関係にあった恋人を…。
間の悪いことに、その直前に別れ話を切り出されていたんだ。
あぁ。
『誤射ではなく故意ではないか』
軍法会議にかけられたジェシカは…
自らの命を…。
ミシェルは探し続けているのかも知れない。
フレンドリーファイアの真実を…な。
『撃て、ミシェル!撃て!ミシぇええぇぇぇぇえええぇぇル!!!!!』
『っ!』
迷いの無い球筋。
アルトにあたることなく、敵機の機体へと吸い込まれていく。
逃げるように去っていく機体が、何かを破壊した。
とたん、身体が焼けるように熱い。
―確か…前にもこんなこと…。
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