マクロス長編 | ナノ


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『そのまま抑えてろ…いま片付けてやる!』

『お前の援護なんているかぁ!俺一人でやれる!!』


『フッ、任せろよ。俺は女も弾も一発必中さ。』




ーミシェルの銃口が・・・わずかだけどぶれてる…?



「ミシェル!駄目!!トリガー引くな!!!」

『ぁ…』

『先輩!バジュラが!』

『っ!!』

「アルト、よけて…!!!!」








ミシェルの発した攻撃はバジュラではなくアルト機頭部側面を…。
…大丈夫、アルトに傷は無い…。

だけど、あの二人は余計に火がついてしまったようで…。




『くっ…ミハエルてめぇ…?!味方をうつなんてどういうつもりだよ…!一発必中って吹いてたくせに…ワザとやったのか?!』

『んなわけないだろ!!』

「やめなさい!!!二人とも戻り次第、個別ミーティングです。帰還します。」



『ふん!』

『『了解。』』















*
格納庫にバルキリーを納め、歩く四人。







「フレンドリーファイヤなんて冗談じゃないぜ、俺を殺す気かよ。…なにシカトしてんだ。何とか言ってみろよ!!」


ミシェルに殴りかかるアルト。
すかさずとめに入るルカ。

ルカの隣で、二人の感情を見守る。



「駄目ですよアルト先輩!…ミスは誰にでもありますよ…!」

「ミスで殺されてたまるかよ!それにこいつはミスなんてしない!狙撃のセンスは姉貴譲りって自慢してたんだからなぁ!!誤射も血筋か??!!」




アルトの心無い言葉が、ミシェルの傷をえぐっていく。

今のアルトには、目の前が見えていない。
…ミシェルにも…。



「てんめぇええええぇぇぇ!!!」



アルトの最後の一言で黙っていたミシェルに火がついてしまった。

次第は掴み合いから、殴り合いに発展してしまった…。

出撃中もだけど、今の二人に私の言葉は通じない。
…身体を張って、それが橋渡しになるのなら…。


…なんて余裕も無かったけど身体が動いていた。


アルトに馬乗りになり、顔面を殴り続けるミシェル。
ミシェルの肩をすこし乱暴につかむと、飛んできたのはミシェルの拳。



バキッ!!!!!!!
直後部屋に響くのは、鈍い音。




「おいミシェル!なんでナマエを殴ってんだよ…!!」



アルトの拳がミシェルに届く直前で二人の間に再び割り込む。




バキッ!!!!!!!
そのアルトの拳も、ミシェル同様ナマエの顔面へ。





「…ちょっとあんたたち…ほんと…いい加減にしなさいよ…。だまって聞いてれば…。」



口内に広がる、鉄の味。
口角を伝い顎から滴り落ちる、アカ。



「アルト。あなた、自分の言葉でミシェルの傷口えぐって…わかってるの?あなたたち、パートナーでしょ?」

「ミハエル。ミスを認める心を見失って…解決はありえない。アルトの言ってることは間違ってる、それを突きつけないでどうしたいわけ?」

「二人とも、私のこと殴って満足したでしょ?ミシェルは自室に戻れ、アルトはカナリアさんのところへいけ。これは上官命令だ。個別ミーティングはナシ。解散!!!」






捲くし立てるように言い切った。

クランとネネとララミアが駆け寄ってくる。
二人はおとなしく居なくなった。

安心したら、力が抜けた…。
とたん、顔面に走る激痛に顔を歪める。



「大丈夫ですか、ナマエさん…!うぅ…いたそう…」

「ナマエっ…!いけないのだ、もう青くなってるのだ…。アルトなんかよりも早くカナリアのとこに…!」

「よし、よし…」




「っ…みんぁ…ひたひよぉ…」






顔も、心も、いたい…。

でも、みんなもいたいんだ。


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