5「ふぅ…もう、大丈夫よ。」
「ありがとうございます…」
「ナマエは…大丈夫でしょうか…」
「えぇ、感染して直ぐに手を施せたので完治…と言いたいのだけれど…。何故か細菌はお腹に集まって死滅していません。ですが、非常に安定しているわ。」
「…それは、どういうことです…?」
「通常ならば、完治する場合細菌は死滅します。だけど…なぜか死滅せず、腹部へと集まったの。」
「…というと…」
「わかっている事は、申し訳ないけどほとんどないの…お力になれず、本当にごめんなさい。でも、間違いなく危機は脱したわ。」
「そう、ですか。うん、よかった…本当に…」
「ナマエ…」
ベットに横たわる我が子の顔色は、幾分も良くなっている事に再度安堵する。
「それにしても、この子…ナマエちゃんは本当に優しい子ね。あの子達…バジュラの子供が離れようとしなかったの。それに、腹部への定着まで手伝ってくれたのよ?」
こんなケース、初めて。と言う先生。
「だって…」
「「自慢の娘ですから!」」
「あら!…ふふっ、貴方達夫婦あってこそのナマエちゃんなのね」
「えぇ、もちろんよ!」
「優しい子だからな、ナマエは。」
キュイ!となくバジュラの子供。
スリスリとナマエに頬を寄せ擦り寄りと、隣で丸くなっている。
「ただ…一つだけ注意しなくてはいけないことがあるの。」
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