2「キュイ…」
「…?だぁれ?」
ガサガサ…ッ
草むらから出てきたのは、緑色の小さな動物だった。
自然が多いと生きてる植物も動物も多いって言ってたけど、本当みたい。
「キュー…イ…ッ」
「あなた、怪我してる…!大丈夫…?」
そっと両手を差し出した。
大丈夫だよ、怖くないよと。
でも、緑色の子はそうは思えなかったみたいで…
「キィィィイイィッ!」
ガブッ…
思い切り手の甲に噛みつかれた。
自己防衛本能だ…。
「…っ…だ、大丈夫だよ、私は何も痛い事しないよ…いいこいいこ」
「キュー…」
頬を噛みつかれたすぐ横にスリスリとするその子。
「ふふ、早く私のお父さんとお母さんの所に行こうね!」
その子をそっと、抱きしめた。
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