マクロス長編 | ナノ

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「…い……ど…な………くそっ…」

「ち…だめ…ナマエ…お…ちゃ…」



ブツリ、ブツリと断片的に聞こえる両親の声。
夢と現実の境を行き来する私。

なんとか、重たい瞼を持ちあげる。




「ん…ぁ…ど、した…の…?」


「あら…起しちゃった?」






お父さんも、お母さんも、なんだか様子がおかしい。

携帯持って…誰かと電話してる…?




「ナマエ、聞いてくれ。お父さんもお母さんも、今から仕事に行かなくちゃいけない。」


「できれば、ずっとナマエの傍に居たいのよ?でも、召集かかっちゃったの…。」


「…しょう…しゅ…う。うん…仕方ないよ、お仕事だもん。」



ふ、と
大きな掌が、私の頭をそっとなでる。




「今回は少し長くなりそうなんだ。だからナマエは、SMSでお留守番できるか?」

「オズマくんも居るし、きっと楽しいわよ!」






「オズマ!元気かなぁ、オズマ!」





オズマは、お父さんの同僚兼友人でパイロットさん。

私がSMSに行ってお留守番してる時、沢山遊んでくれる人!





「「決まり!だな(ね)!」」














お父さんの頬にちゅ。

お母さんの頬にちゅ。





無事に帰ってくるからな。

まっててね。



いい子に待ってるね、早く帰ってきて。














頬にちゅ。は、
約束のおまじない。


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