4「ちょっと!ナマエ!!あんたも飛びなさいよ!!」
「パラシュート…それだけっ…!!(だめだ、落ちる…」
地面が見えた瞬間、ポスリと包まれる感覚。
「無茶しやがって…」
ふわりと浮遊する感覚…いつものエクスギア…アルトだ…。
「アル…ト…」
「なんでお前はそうなんだよ…いつも…自分よりも他人優先で…。」
「ごめん…。」
「今回だって、間にあったからよかったものの…落ちてたら大けがじゃ済まないんだぞ…!!」
「…うん…ちょっと怖かった。」
「なんで自分がパラシュート装着してシェリルを抱えるって選択肢はなかったんだよ…。」
「一人用だから…二人じゃ飛べないよ。だからこれが正攻法。」
「…ったく…心配させやがって…。」
「アルト…」
「あ?」
「ありがと…。」
「…どーいたしまして。」
「ねぇ…もうちょっと…飛んで?アルトとデート…これで今までのことチャラにしてあげる。」
「…たまにはいいな、戦場じゃなく青空の下でナマエと飛ぶのも…。」
「いつも、平和なら良かったのに…。」
「…そう…だな…。」
「あーいも あーいも ねーでる るーしぇ」
「その歌は?」
「あ、うん…昔ね、自分がすごく小さいころの…記憶に残ってる歌…。」
「そうか…じゃあ、そろそろ帰るぞ。」
「あ、うん。ありがとうアルト。」
久しぶりに、アルトと過した時間。
腕の中は、とても暖かかった。
翌日。
「パイロットコースに転入しましたシェリル・ノームです。よろしくね?」
―あぁ…一難去ってまた一難…。
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