5「レオン・三島補佐官殿!これはどういうことですか!!?契約では、ソラネとしての活動には一切関与しないという契約ではなかったのですか?!」
中継が切れた瞬間…私の糸も切れた。
ドレスの裾を捲し上げ、レオン・三島に迫る。
中継終了後の撤退は早く、周りには三島とそのボディーガードしかいない。
約束が違う。
本来ならば、SMSのみんなに迷惑がかからないようにソラネとして活動するという約束だった。
軍部はそれに一切関与しないという約束だった!
なのに!
どうして?!!
途端、勢いよくボディーガードに床へと叩きつけられる。
「ぐぅっ…!離して!!」
「…約束…?はて…何のことでしょう?」
「…っ…!しらを切るおつもりですか…?!」
「ワイルダー艦長には話をつけてあります。なにか異議でも?」
「…離してよ、離せ!!私は…私はぁっ!!!」
ドスっ
「ぅあ…っ!!…ぐぅ…」
「ほう…威勢のいい子は嫌いじゃないよ。」
三島の足が、抑えつけられている私の横腹にめり込んだ。
「なに…する…っあ」
グイと顔を持ちあげられる。
お腹を殴られ、力が入らない…。
「自分の立場が…分かっていないようだね。」
「…っ」
あれを。
三島の声が聞こえる。
何してるの…分からない専門用語が並ぶ。
と、2〜3人の白衣を着た人に囲まれ、腕に鈍い痛み。
「ぃ…っ!!!」
「…ただの安定剤…だよ。今のミスナマエは取り乱してしまっているからね。ほぅら、もう大丈夫だ。」
お腹が、暖かい。
すこし熱いくらいに。
ブーブーと携帯のバイブが響く。
抑えつけられている身体は途端解放され、携帯を見ればオズマより緊急招集が入っていた。
−−−From:オズマ
現在、ミハエルをそちらに向かわせた。
合流後、至急出動の準備を。
「失礼…します…」
すこし軋む身体を立ち上げ、出口へと向かう。
着替えを握りしめ、大統領府を出れば、丁度ミシェルが来たところだった。
「ミ…シェル…っ」
「どうした、ナマエ。顔色がよくない…。」
「うん、慣れない事したからだよきっと!じゃあ、行こう?」
私は…できることを精一杯やることしか見いだせなかった。
これから始まる戦い…生き残りたい。
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