4『では続きまして…天空の歌姫・ソラネさんより会見です。』
ぱっくりと背中のあいたロングドレス。
いつものショートウィッグは身につけていない。
「こんにちは、フロンティアのみなさん。
そして、はじめまして。私は天空の歌姫・ソラネであり、名字 ナマエと申します。」
凛と透き通るナマエの声は、こんな時でさえも人の心を魅了する。
「今までソラネとして活動してまいりましたが、本日よりソラネ改め…名字 ナマエとして…フロンティアの皆様に希望を届ける為、歌手活動を行わせていただきます。」
ザワリと揺れる空間。
はじめて顔を見せたと思えば…軍のプロジェクトの渦中に居たソラネに一同戸惑いが隠せない。。
ふわり、と微笑めば…誰ともなく拍手がわきあがった。
―こんな用意された台本通りの会見…反吐が出る。
でも、演じなくちゃいけない。
天空の歌姫・名字 ナマエを…。
私に、フロンティアの希望が務まるの…?
本当は、不安でいっぱいだよ…。
―あぁ!予想…以上だ…!
―いいわ、既に少しずつ反応が強まってきてる。
―この調子だな。
―せめて、命を燃やしつくして足掻け。
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