青エク長編 | ナノ

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リーンゴーン

リーンゴーン

リーンゴーン

リーンゴーン


「…んっ…うっさいな…ぁ…」


リーンゴーン

リーンゴーン


「鐘↑がー鳴↑↑る↓ぅー♪」


リーンゴーン

リーンゴーン


「…んあー…寝起きBGMが不協和…音とか…ちっ、まじうっさいなぁ…誰だよ、こんな、へたくそな……」


もぞもぞと身体を捻り、安定ポジションを探す。


どうせいつものマジシャンでしょ?
なんて、見なくても分かってた。
これだってどうせいつもの夢。




「やぁっとだ!僕の声、今聞こえましたね」


…あらやだ、ほんとだ。
声…?
いつもはパクパクしてるだけで声なんて聞こえないのに。



リーンゴーン

リーンゴーン


近付く鐘の音
それは警告?
それとも…。




心霊現象に伴うのに酷く似た恐怖心と、ほんの少しの好奇心。


恐る恐る目をあければ、

そこには
どあっぷな悪人面。
シルクハット。
あごひげ。
激しいピンク。


ギョッとして言葉を失う。
開けた口の塞ぎ方を忘れた。
それどころか、なんか勝手にパクパクしだしだ。
私は金魚かよ!
こんな時にノリツッコミとか、自己嫌悪。



「あぁっ、やぁっと目を覚ましたねーおはようございます」


ニヤリと上がる口角。
輝くシルクハット。
なんてことでしょう。
ぱぁぁっと光る後光まで見えます。




どうやらわたしは、目を覚ますタイミングをまちがえたみたいです。

では、おやすみなさい。

願わくば、早急に目覚めの朝が来ますように。


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