2「さあ〜〜〜ってとォ。感動の再開をゆっくりあじわいたいところだが…
・・・・・・
こいつの身体ですら長く持たないようだからなぁ」
おもむろに、神父の左手指を右手でむしりとる。
「ぅあ…っ…。」
駄目、立っていられない。
血を見ることが…って事じゃない。
受け入れたくないんだ。
ここにある全てを。
むしれた指からボタボタと血が流れ落ちる。
ボコボコボコ
サタンが呪文を唱えると、神父の身体から流れ出た血液が意思を持ったように形作り何かになっていく。
「これを造れるのは悪魔の中でもオレだけだ。
ゲヘナゲート
---虚無界の門
さあ、行こうぜ虚無界へ。」
…!
無意識に燐をつかむ手に力が入る。
「ああそーだ。剣も破壊しなきゃな。
お前をこの忌々しい呪縛から解き放ってやる!!!!!!!」
「くるな!!」
燐からも、青い炎が。
「プッ、ハハハハハハアなんだァソレ?小便でも漏らしたのかぁ??ハハハ!
早く悪魔としての本性-チカラ-を取り戻せ!」
ガシリと燐の肩口をつかむ。
「は…放せ!!俺は…に…人間…ック」
鏡に映る、自分の姿を見て、目を見開く燐。
駄目だ、私ひとりの力じゃ…燐を引きとめられないよ…。
「つーか俺はあらゆるチカラを統べた完璧な存在なんだぜ?そんな俺でもいっこだけ欠点があるんだ。
なんだかわかるか?はい、お嬢ちゃあん」
「…っ、しらないよそんな事…。」
「はぁーい、残念☆お仕置きだよぉぉぉッケケケ!」
ソッと伸びてくる右手。
動けない。目を逸らせることができない。
サタンの尖った指先が、
ドスリ
右肩へと突き刺された。
「っあああぁぁあ」
グリっと手を返される。
目の前が、白くなる…
「や…やめ…っあ」
「だあぁめ、気を失ったら楽しめないだろ」
一気に引き抜かれる。
鮮血が吹き出す。
力なく倒れこんだ。
痛みが気を失うことを許さない。
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