青エク長編 | ナノ

1
bookmark


「なぁ!しっかりし…」




ギロリ


血走っていて、瞳孔が揺らいでいる神父の目。
そこにはもう、神父ではない何かがいた。



「っ…」



痛い痛い痛い痛い
私の身体が悲鳴を上げている
冷や汗があふれ出す。

ここで押し負けたらだめだ。

燐に、神父だった人に駆け寄る。




ニタァ


絡みつく視線。
いやだ、なにこれ…。


「燐っ…」



「…我が…息子よ…待っていたぞ…この瞬間を!!!!」


ミシ…ミシミシミシ


歯のきしむ音。

でもむき出された神父の歯は、もう人間のそれではなくて。





「…クッハハハハ!
ぬぁああんちゃってなああああ!?
ぎゃっはははははははあぁ〜〜〜〜!!」



ボッという音とともに、神父から青い炎が噴き出した。



「よォ!息子。元気?
カワイイ我が子の為にこのオレサマ自ら迎えにきてやったぜ〜
ありがたく思えよ?」



尻込みする燐を壁に追いやるように迫る。

すかさず、燐の隣に駆け寄り、しがみつく。
燐を守るように。



「わり…お…お前…あ…悪魔か…」

「そこのお嬢ちゃんはどうだと思うんだぁ?」



ニタリと笑い、問われる。



知らない。知るわけが無い。
なのに、出ている答えは確信で…。



「あんたは神父じゃない…。
サタンだ…。」

「せぇーいかあああああい!物分りのいい子だああああいすき!
ギャッハハハハ!
俺はサタン。悪魔の神様。お前の父親さ。」




ドロリと神父の目や鼻、口から血液が流れ出す。
神父の身体が持たない…。

ちがう、こいつ、生きて返すつもりなんて…。







prev|next

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -