1「お前たちは二卵性双生児だ。雪男は未熟児で身体が弱く力を許容できなかった。炎-チカラ-はお前だけが継いだんだ。」
燐は言葉を失った。
動揺を隠せないでいる燐。
兄だけに継がれた忌々しいチカラ。
神父に言われた言葉が脳内をよぎった。
-------「怖いか?」
わたしは
「燐の事、怖くないよ。」---------
「…。そ…そんな話…今更どうやって…どうして黙ってたよ!」
「…お前を普通の“人”として育てたかった。
・・・・・・
お前が人である限り俺が育てる条件でな。」
「…面接はどうすんだ!働けっつたくせに人間じゃなくなったら…どっかいけって言うのかよ!!」
「そうじゃない!お前を守るためだ…!!」
「守る…?!結局放り投げたんだろ!綺麗事言うな!!
は…どうせ他人だもんな…。
おれは雪男と違って問題ばっかでずっともて余してきたし…。
親子ごっこなんてもうやってらんねぇんだろ。
正直に言えよ!
二度と親父ぶんな!!」
振りあげられた神父の掌は
パン
燐の頬に…。
「ぁっ…。」
痛いのは殴られた燐だけ?
…違う、痛いよ。
神父は心が痛いよ…。
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