1私の名前は藤本だ。
藤本神父って呼んでくれ。
名前ちゃん。
早々で悪いんだが、
昔話をさせてくれ…。
俺には2人の息子がいてね。因みに双子。
今の君と同じ歳の子だ。
実子じゃなんだが、でも大切な、自慢の俺の子。
でもアイツらは、とても悲しい運命を背負っちまってるんだ…。
とくに、兄貴の方が…な。
ちぃとばかし運命が強く縛り付いちまってるんだ。
アイツらは…悪魔…いや、
魔人-サタン-と人間の子だ。
そう言い、俯神父は俯いていた顔をあげた。
「…でも、普通の人間なんでしょ?」
「ああ、そうだ。」
私はそれから、いろいろな話を聞いた。
「双子の息子」のこと「青い夜」のこと「悪魔」のこと。
「怖いか?」
「別に…はたからみたらきっと、次元越えちゃった私の方が異常だし…。」
二人で顔を合わせて、にへらっと笑いあう。
「だから、怖くなんてありません!」
藤本神父は嬉しそうに微笑んだ。
「そうか…。君には是非とも、二人の友達になってやって欲しいんだ」
「…え?」
「兄貴はスレちまって、カッとなりやすく一人ぼっち気味。弟は昔は泣き虫で兄貴の背ばかり追ってた。今は兄貴に内緒で祓魔師してる」
デコボコなんだよな…。
苦笑しながら言う藤本神父。
とてもあたたかい人。
「藤本神父の息子さんなら、きっと素敵な人でしょうね。こちらこそ、私でよければ…是非!!」
私、こちらに来て…
一人ぼっちだから。
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