あれからというもの、始めた時よりもレベルは上がった。

暇な時を見つけては、ログインしてプレイする。
時々、ジェットとも一緒にクエストに行ったりする。
たまにフランソワーズが、僕が遊んでいるのを覗き込む。


「あら、随分最初の頃よりも強そうになったのね?」

「うん。新しい防具を買ってみたんだ」


最初の頃は弱そうだったのに―。
今は少し頼りになる雰囲気を醸し出す、白銀の騎士だ。
ジェットはこれよりも強い装備をしているので敵わないけれど。


「あら、フェン友申請っていうのが来ているわよ」


フランソワーズが画面を指差して言う。
見れば、『フェン友申請が届いています』という文字が出ていた。
クリックしてみると、相手は「ネリノ」というプレイヤー。
黒い服を身にまとった魔法使いだったので、ドキッとした。

『スイミー』という魔女も真っ黒衣装だったことを思い出したからだ。

そういえば、ブローチェは彼女を見つけたのだろうか。
考えていると、急に頬をつねられた。
つねってきたのは、フランソワーズである。


「ゲームもほどほどにしてね」

「ふふ、分かってるよ」

「・・・何か飲み物でもいるかしら?」


コーヒーを淹れて欲しいと頼めば、フランは微笑む。
少し待っててね、と呟くと、リビングの方へ行ってしまった。
それを見送ると、再び画面の方へ目を向ける。

そして、フェン友申請了解のボタンをクリックした。


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