広場で待っていると、それらしき人物が現れた。
真っ黒のローブを羽織り、大きなネックレスを身につけている。
チャットで、『申請了解有難うございます』と言ってきた。
「ネリノと申します」
「あ、ジョニーです。よろしく」
「ジョニーさん。平原クエスト時、マグマドラゴンに追われていたでしょう?」
それを言われて、驚きながらも頷いた。
蒼爪熊を倒すというクエストの時、運悪く、そのモンスターと出くわした。
ジェットが逃げた方がいいと言っていた相手だと分かっていたのだけど―。
「連れの友人が運悪く怪我してしまって、助けようと思って―。」
「その姿がかっこよくて、ああ、騎士もいいなあ、と思ったんです」
彼は『ロッシェル』というギルドのチームに属している。
そのチームで平原に行った時、自分を見たのだと言う。
平原に行った理由は同じく、蒼爪熊を倒す為。
「チームに入るかはともかく、お友達になりたいと思って」
「ええ、いいですよ」
ジョニーは快く引き受けた。
まだ、ジェットしかフェン友がいなかったからだ。
仲間が増えれば、よりプレイが楽しくなる。
「ところで、何故、平原へ?」
彼のプロフィールを見ると、ジョーより少しレベルが上。
レベルが強いほど、上級者コースにいくのではないかと思ったからだ。
ネリノはふと楽しそうに微笑んで、
「ギルドに、蒼爪熊全身装備が欲しいという方がいまして―」
その装備の為だけに、平原に来ていたのだと言う。
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