ゴシックロリータ・レディは、ジョーの向かい側の席に座っていた。
衣装に合わせてきたのであろう、レースのついたバッグから携帯を取り出している。
彼女もまた何か、やっているのだろうか―。
しきりに指を動かしつつ、考えている。
「(そういえば、対戦したこと無かったなあ)」
ジョーは、ふとプレイしているゲームの画面を見た。
対戦モードというのがあって、色んなプレイヤーとパズルの対戦が出来るようだ。
最初はレベルが低かったので手を出せず仕舞いだったが―。
そろそろレベルが上がってきたので、ジョーは挑戦することにした。
数分、画面に『対戦相手を探しています』とあったが―。
「(おっ、来た来た!)」
切り替わり、相手が見つかったという知らせが入る。
同じくらいのレベルで、プレイヤー名は『スイミー』とあった。
スイミーと聞いて、思わず絵本の内容を思い出した。
真っ黒な魚『スイミー』が仲間と大きな魚に擬態する話だ。
そんな事はともかく、いざ対戦開始するとかなり苦戦をする事になった。
同じレベルとは思えないほど、相手が強いのである。
多分、自分がまだまだだという事もあるだろうけれど―。
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