「ねーねー、会長」
「あ?なんだよ、バ会計」
分かりやすく顔をしかめながら嫌そうに答える会長。頭も口調もゆるい―――ついでに下半身もゆるいらしい―――会計は対して気にした風でもない。
「会長ったらひどーい」
「うるせーな、なんだよ」
「ひまー、だからさ、会長俺とえっちしよ」
「ブハッ…ゴホッ…ゲホッゲホッ」
唐突な会計の言葉に会長は漫画のように紅茶を吹き出した。
「会長きたなーい」
「なっ…お前が変なこと言うからだろ!」
呑気に会長を非難する会計に会長は顔を真っ赤にしながら怒鳴りつける。
「あれれー?あれれー?天下の会長様って実は初?ぴゅあぴゅあ系?童貞処女?」
「会計、下品ですよ」
今まで事を静観し、会長が吹き出した紅茶を拭いていた副会長が咎める。
「だっ、黙れ!」
更に顔を赤くして怒鳴りつける会長はそれが肯定を示していることに気付いているのか、いないのか。
「あれ、マジ系?会長確かに浮いた噂は無かったけどこの学校で高3まで童貞処女とか逆に引くわー」
「…本当ですか?」
遠慮のない会計に、副会長にまで控え目に事実確認をされ会長はすでに涙目だ。
「う、うるせー!童貞で何が悪いんだー!つか、男の俺に処女という概念はない!死ね!」
幼稚な暴言を吐くと会長は生徒会室から逃げ出して行った。
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