後悔しても遅い

そんな感じに俺がトリップしてたらいつの間にかホームルームは終わっていたらしい。
そういえば入学式をまだしてないと思っていたら、こんど新入生歓迎会と合わせてやるらしい。
やっと現実に戻ってきた俺は目の前の現実に再び、逃避したくなった。

黒板に先生のものらしき、綺麗な字で、大きく、はっきりと書かれていた、
学級委員長 日向菜月
ありえない事実。

どうやらトリップしている間に俺は学級委員長サマになっていたようだ。
笑えねぇ。

隣にいる安田くんにとりあえず経緯を聞いてみる。

「や、安田くん?」
「何?あっ、なっちんじゃん、お隣さんだしよろしくね〜」

も…脩斗くんを思い出させるユルい喋り方。
ぶっちゃけこういう人種は苦手だったりする。
中学の後半絡まれてたからなぁ、その時の嫌悪感だろう。
でもそういえばなんかぱったりと突然絡まれなくなったんだよなぁ、何でだろ。
まぁ、それは置いといて、安田くんいい人っぽいし…失礼にならない程度にスルーしよう、うん。

「ねぇ、なんで俺が学級委員長なの?」
「えっとねぇ?先生がやりたくないひとーって言ってみんなはーいって言ってなっちんだけがはーいしなかったから?」

…さっきから気になっていたがもしかしなくてもなっちんって俺なのか。
ちょっといや大分いやかも…。
まぁ、何故俺が学級委員長になったのかが分かっただけよしとする。

恐らく先生が学級委員長やりたくないやつは手を挙げろとか言って俺だけが手を挙げなかったのだろう。
…俺の馬鹿野郎。
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