セクハラはよしこさん

「つーか、俺ちょっと菜月ちゃんに興味出てきたかも」

また意地悪く笑う彼の瞳が捕食者のソレで俺は知らない内に息を詰めた。
急に肩を捕まれ、咄嗟に逃れようとするが、先程の鋭い視線に貫かれた身体は思うように動かず、俺の首筋に当たる唇は甘受するしかなかった。
彼の唇が割られぬめり、とした感触が肌を撫でていく。

「っ…ぁ」

俺の唇から吐息と一緒に漏れた声に彼は満足そうに、小さく笑った。
声が漏れた事実に羞恥に顔が赤く染まるのが分かる。

「かーわい」

そう何処か、平淡に紡ぎながら唇を態とらしく舐める。
それは先ほどの行為を嫌でも思い出させて、思わず視線を反らした。

再び顔を近付けてきた彼の動きをを止めさせたのは今まで黙って見ていた凉だった。

「っ、シュウ」
「なぁに、凉ちゃん」
「もうそこらへんで止めとけ。それに、ソレは俺のだ。」
「意味わかんなーい、さっきはどうでもいい風だったのに」

その挑発するような言葉に凉の視線が鋭くなる。

「黙れよ」
「はいはーい」

そう言うと脩斗はばいばーいまたね菜月ちゃん、そう言って手を降りながら教室を出て行った。

俺は、何処に行くんだろうとか、さっきのは誰がどう考えてもセクハラだろとか、どうせどっかに行くんなら俺の後ろで負のオーラを出しまくってる大魔王様も連れてってくれないかな、そんな現実逃避をしていた。

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