「ちょっと可愛いかも。」
は?
今何て言った?
固まっている俺を見て更に言葉を重ねてくる脩斗。
「ほら、赤くなったほっぺとかさ、潤む瞳とかさ、顔は可もなく不可もなくなんだからさ、少し見方を変えてみれば可愛いかな、って」
「眼科に行くことをお奨めします。」
とりあえず突っ込んでみた。
「シュウ、お前目腐ってんじゃない?どう見てもこれは豆狸でしょ?」
え、なにこいつうざい。
「えー結構狸は可愛いよ?」
おい待て、狸はって俺は狸より可愛くないのか…。
「俺はねぇ、かな」
俺もねぇよ。
俺の夢は可愛い奥さんと白い大きな犬がいる一軒家に住むことなんだからな!
「まぁ、俺的には泣いてくれた方がもっと可愛いけど」
「え、脩斗く…脩斗ってS?」
「だったらどうする?」
ニヤリ、と態とらしく口角を上げる。
あっ、これは凉もするS笑いだ。
類友ってか俺はSな人に縁があるみたい。
…泣きたい。
とりあえず、近付きたくないです。
っていう本音は呑み込んだ。
~back