酔っ払って甘えて
「おーいアン、あんま離れて歩くなよー」
「はーい」
ユーリは、頬を赤くて少し先を歩くアンの背中に声を掛ける。アンは返事をすると歩みを止めてユーリに振り返った。
少し肌寒い夜、アルコールで火照った体の二人にはちょうど良い気温。お酒を飲んだアンとユーリは、帰るべき場所を目指してゆっくりと歩いていた。
アンは顔を赤くしていて酔っているのがすぐわかる、反対にユーリの顔色はいつも通り、しかし唇がツンと上を向いていて不機嫌そうな表情を浮かべている。
(んだよ、いつもは呼ばなくても傍にいる癖に・・・)
いつもなら隣にいるはずのアンが、今日は自ら距離を取って歩いているのが気に食わないらしい。アルコールが入ったユーリは少し甘えん坊のようだ。
ユーリは早足でアンに追い付くと、なんでもない顔で手を握ってたった一言。
「酔ってるからな」
それはアンのことか、それともユーリ自身のことか、はたまた両方か。
ユーリはアンの手を引いて再びゆっくりと帰路につく。
「どうしたの?」
「何が?」
「いつもはユーリから手を繋いでくれることなんかないのに・・・」
「嫌なのか?」
「フフーいいえー、嬉しいですねぇ」
「ならいいだろ」
アンの問い掛けにユーリは淡々と返す。
サアアァァァ
少し肌寒い夜に風が吹く。普通の人達なら寒さに身を縮める所だが、お酒を飲んだ二人には丁度いい気温。
特に、耳を赤くしたユーリには。
ユーリはチラリと隣を見る、頬を赤くしながらも、しっかりとした足取りで歩く嬉しそうなアンはいつも通り。
普段アンがユーリにする事を、今はユーリがアンにしている。いや、今日のユーリはしたくて堪らない。
(こりゃオレの方が相当酔ってんな)
ユーリは自覚しながらも繋いだ手を話すことはない、何なら指まで絡めてみたり。
「えぇ・・・ユーリホントにどうしたの?お酒入ると甘えん坊さん?」
「・・・そうかもな」
そう言ったユーリは、嬉しそうに顔を覗き込もうとしたアンの唇をそっと奪った。
甘く、柔らかい、アルコールの匂いがする短い口付け。
(お、その反応は・・・ラッキー)
アンは人生初の口付けに身を固くする、そんなアンの様子を見たユーリは、ニヤける口元を隠すことなくこう言った。
「酔ってんだよ」
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「はーい」
ユーリは、頬を赤くて少し先を歩くアンの背中に声を掛ける。アンは返事をすると歩みを止めてユーリに振り返った。
少し肌寒い夜、アルコールで火照った体の二人にはちょうど良い気温。お酒を飲んだアンとユーリは、帰るべき場所を目指してゆっくりと歩いていた。
アンは顔を赤くしていて酔っているのがすぐわかる、反対にユーリの顔色はいつも通り、しかし唇がツンと上を向いていて不機嫌そうな表情を浮かべている。
(んだよ、いつもは呼ばなくても傍にいる癖に・・・)
いつもなら隣にいるはずのアンが、今日は自ら距離を取って歩いているのが気に食わないらしい。アルコールが入ったユーリは少し甘えん坊のようだ。
ユーリは早足でアンに追い付くと、なんでもない顔で手を握ってたった一言。
「酔ってるからな」
それはアンのことか、それともユーリ自身のことか、はたまた両方か。
ユーリはアンの手を引いて再びゆっくりと帰路につく。
「どうしたの?」
「何が?」
「いつもはユーリから手を繋いでくれることなんかないのに・・・」
「嫌なのか?」
「フフーいいえー、嬉しいですねぇ」
「ならいいだろ」
アンの問い掛けにユーリは淡々と返す。
サアアァァァ
少し肌寒い夜に風が吹く。普通の人達なら寒さに身を縮める所だが、お酒を飲んだ二人には丁度いい気温。
特に、耳を赤くしたユーリには。
ユーリはチラリと隣を見る、頬を赤くしながらも、しっかりとした足取りで歩く嬉しそうなアンはいつも通り。
普段アンがユーリにする事を、今はユーリがアンにしている。いや、今日のユーリはしたくて堪らない。
(こりゃオレの方が相当酔ってんな)
ユーリは自覚しながらも繋いだ手を話すことはない、何なら指まで絡めてみたり。
「えぇ・・・ユーリホントにどうしたの?お酒入ると甘えん坊さん?」
「・・・そうかもな」
そう言ったユーリは、嬉しそうに顔を覗き込もうとしたアンの唇をそっと奪った。
甘く、柔らかい、アルコールの匂いがする短い口付け。
(お、その反応は・・・ラッキー)
アンは人生初の口付けに身を固くする、そんなアンの様子を見たユーリは、ニヤける口元を隠すことなくこう言った。
「酔ってんだよ」
clap
夢絵あり
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