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カラン、と音を出して男が握っていた刀は地面に落ちた。
「愚かなことです」
少年は血の中に沈んだ男を見下ろし、小さくため息をついた。
男の方へ手を伸ばすとまだ微かに息があった。ここまでされて生きているのか、と少し感心する。
けれど、男はもう長くはないだろう。
少年は男に最後の言葉をかける。
「ふざけるな。ですか。確かに殺される側にとってはそうでしょう。ですが、」
少年は笑う。
「その感情はあなたが虐げてきた民があなたに抱いた感情と同じなのですよ」
男はその言葉を聞いて、息絶えた。
醜態進化論
(破廉恥では御座いませぬ)
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