「お、つらら、帰ってきたか! 鍛錬ご苦労様」
「……なんであなたがいるんですか、史憲公」
「いやー今日は澄信に新春記念宴会をするからこいと言われてな」
「……だからあの男がいたのか」
つららの目線の先には行平がいた。
「ところで、後ろのは誰だ?」
「ああ、この者たちはどうやら神隠しでここに辿り着いたようで……」
「へー……あ、お嬢さん名前なんてーの? 綺麗な髪の毛だなあ」
そう言って史憲は慧の髪の毛に触れようとした。が、すかさずそれを俊が止めにはいる。
「ちょっと、慧の髪の毛に触れんなよ!」
史憲は目をパチクリとさせた。そして、ニヤッと笑う。
「お嬢さん、慧って言うんだ。俺ここの国の隣の国の領主の史憲っていうんだけど」
「へー史憲っていうんだ。だけど残念、俊って名前の方がカッコいいもんね」
「俊ー? はっ、今時そんな名前流行らねーぜ。今の流行りは史憲よ!」
「漢字一文字がブームなんだよ。そんなのもわかんないのに国の領主?」
「ぶーむ?」
「そんなのも知らねーの、やっぱ馬鹿だ」
「つららさん、ここってパフェありますか?」
「ぱ、ぱふぇ? 何ですかそれは」
「甘くてとっても美味しいんです」
「はあ、甘味どころならあるが……」
「甘味どころ? 是非行ってみたいです」
最果てで出会う
俺たち、無事帰れんの?
△ ▽